めいそうえっせい

色々と心のままに

定年退職の日々

先日、シナリオコンクールに応募した

ドラマ脚本と落語の各1本だ

 

自分の描いたものが作品という形になることは望外の喜びである

 

作品は出来が悪くても可愛い我が子のようだ(孫か)

 

2つとも処女作品(いまこのように表現してもいいのか)である

もちろん選に入れば良いがまず無理だろう

 

両方とも会社の同期(彼は小説を書いている)に論評してもらった

ところ面白いとは言ってくれたがまあお世辞半分だろう

 

でも楽しいのだ

それでいい

定年親父の密かな楽しみである

 

今の夢はいつかコンクールに入賞したり、本になったり、ドラマや映画

など映像化されたりして見てくれる人が喜んでくれることだ

 

映画などはサスペンスのような結構シリアスなものを見るのが好きだが

自分が描きたいものはヒーローものだったりコミカルなものだったりする

この辺りが不思議だ

 

内田康夫ミステリー文学賞というのが募集中である

 

内田康夫氏の本はいまだかつて読んだことがない

テレビドラマで浅見光彦シリーズという推理ものが有名だそうだが

それも見たことはない

 

そもそもミステリー小説とはなんぞやだ

調べてみるといわゆる推理小説の類がメインなのだが広義で言えば

オカルトものやサスペンスなんかも入ってくるらしい

 

多分だが推理小説、いわゆる謎解きでなくても良いのかもしれない

 

日本で最初のミステリー小説家と言えば江戸川乱歩らしい

 

30年以上前には読んだことがある

アガサクリスティなんかも多分すべて読んだだろう

もちろん松本清張もだ

 

当時は興味があったのだ

いつからか全く興味が失せた

 

殺人事件が起きる、様々なプロットが描かれる、犯人は誰で何のために

と言った推理をしつつ読み進む

 

まあこれはこれで面白いのだ

 

そしていま内田康夫氏の代表作の一つである後鳥羽伝説殺人事件を読んでいる

何十年ぶりかの推理小説

 

内田康夫氏は1980年に何と自費出版で小説家人生をスタートしている

その2年後に浅見光彦シリーズの最初となる後鳥羽・・を上梓

 

累計発行部数は一億部を超えている

一冊印税が10円としても10億円!すごい

それだけ多くのファンの心を掴んでいるということだ

 

2年前に83か4で亡くなられている

自分の親父とほぼ同じ歳だな

自分なら後20余年か

 

まあ自分にはミステリーは無理かな

発想が一切湧かないしこんな物描いてみたいという欲望もない

 

最近は、BSでやっている池波正太郎剣客商売(73ではない)や

鬼平犯科帳、そして男はつらいよシリーズが面白くてしょうがない

 

池波正太郎はほとんど読んだので結構詳しい

一方、男はつらいよを今まで一本たりと見たことはない

 

全く毛色の違う両作品だが、共通しているのは人情の機微だろう

 

時代劇と呼ばれるものは数多くあるが、剣客商売の秋山小兵衛や

鬼平と言われる長谷川平蔵が事件を解決するプロセスと結末に

含まれる情感をあれほど豊かに描いたものはないだろう

男はつらいよはもちろん渥美清の名演によるところ大ではあるが

何より脇役も含めた台詞回しの見事さがあいまって絶妙な人情ドラマ

になっている

そしてもう一つ共通するのは、主人公はもちろん脇役のキャラが

皆しっかり立っていることだ

あれほど見事に描かれていると例えばこの人が主人公にこう聞かれた

らこう答えるだろうなと予測がつくほどのものだ

それだけ見ている側は感情移入というか没入していることになる

 

そしてさらにだ

池波正太郎シリーズには定番の旨いものと良い店が出てくる

これは一服の間としての意味もあるがやはり一つの魅力となっている

男はつらいよはもちろんあの団子屋の設定だ

お店の奥に上がり座敷があってその奥には仏壇の間がある

奥の隣には小さい庭がありそこはタコ社長の工場(こうばでありこうじょう

ではない)とつながっている

お店の土間から2階に上がる狭い階段がありそこは寅次郎が寝る

部屋に使われたりゲストが来たりする

 

見事な設定だ

配役も見事だ

 

山田洋次氏の原作監督だが氏は88歳にして健在

東大法学部卒の俊才だ

調べていると幸せの黄色いハンカチも氏の作品であることを知った

 

なるほど

 

やはり人の情を描くのが秀逸だ

北海道勤務時代にあの映画が撮られた夕張に行ったことがある

あのセットが残っていて今も(多分)黄色いハンカチが風にたなびいて

いる

 

しかしなぜ東大法学部を出ながら映画の世界に入ったのか

氏はいわゆる大連からの引き揚げ組であり、はみ出し者や社会逸脱者を

よく描くのはそのためともされている

氏の人を見る視点に少なからず影響はしていただろう

 

今自分としてはこのような人の情の琴線に触れるようなものを書いて見たい

 

と思っている