コロナ禍のためにあらゆるものがオンライン化されつつある
人が集まれないのは悲しいことだなと思いつつもオンラインの良さにも
気づかされることが多い
会社の定年した同期連中とのオンライン飲み会などは全国に散らばっていて
そうそう会えない中、オンラインで結べばあっという間に時間と距離が縮まる
何しろ顔が見えるのだから、あいつ年取ったなとかハゲたなとか痩せたなとか
感慨深いものがある
コロナがなければこのような機会を持つことはなかっただろう
そして瞑想の集まりにもオンラインが利用されるようになった
元々は指導を受ける場所があってそのような拠点でミーティングを
したり学んだりすることが多いのだが
このように書くと新興宗教の類のように思われてしまうのではという
自分のような古臭い人間は想像してしまう
ちなみに自分は30年瞑想を続けているがそのような場所に行ったことは
瞑想の指導(やり方)を受けてこのかた一度もない
そこで行われているのは主に指導、習った後の確認(上手くできているか)
そして講義だ、時にはグループ瞑想なんかもあるが
この講義は基本的に瞑想を科学的な視点から論理的に何が起こっているのか
なぜそのようなことが起こるのかと言った内容になっている
それは瞑想という技術によって様々な体験をすることになるのだが、その体験
についての理解が深まることでまた体験が深まるという車の両輪のような働き
をするからである
確かに理解がないとある体験をしても単なる偶然だなとか無視してみたりとか
が起こりやすくなるし、例えば自分が経験した睡眠中に自分を見下ろしている
という体験などはなぜそのようなことが起こるかという理論を知ってしまえば
ああなるほどねと特段に自分が変になったりオカルト的になったりしなくて
すむわけだ
ちなみにこの件を女房に話したことがあるが彼女はなんと瞑想中にそれを
体験したことがあると言った
睡眠中には起こりやすい体験だが瞑想中は珍しいらしい
自分にはないのでちょっと羨ましかったりする
そのような理論的側面を学ぶ講義の場がオンライン化されるようになった
同時に全国の瞑想者をオンラインでつないで同時に瞑想しましょうという
試みもなされるようになった
先日もそのミーティングがあり参加してみた
まあこういうとなんだが瞑想者というものはどこか隠遁めいた感じもあり
あまり自分をさらけ出すという雰囲気でもないのでまあ自分は自分という
感じが強い
ところがオンラインで結んだミーティングの効果には驚かされた
主宰している瞑想指導者が様々に工夫して瞑想の目的や意義など昔聞いた
内容が多いものの優しい口調で語る
ああそうだったなと今更ながら思い出すことも多い
そして圧巻はビートルズのレットイットビーの曲に合わせて様々なメッセージや
映像が流れることだ
ちなみにビートルズは知る人ぞ知る瞑想者(グループ?)で彼らが爆発的人気を
得ていた1960年代後半にまあ若かった故なのかどうか知らないが自分たちの
音楽や人生の方向性を模索していた時に瞑想に出会っている
そこから曲調が大きく変わったのはやはりビートルズをよく知っている人の
間では有名な話だ
レットイットビーはもちろんあるがままでという意味であるが歌詞の中には
夢の中に聖母マリアが現れて自分に知恵の言葉を教えてくれたとある
そしてその言葉をつぶやくことでありのままでいいんだとわかる・・みたいな
ポールマッカトニーやリンゴスターは今でも熱心な瞑想者だ
ポールは瞑想は何ものにも変え難い一生の宝物とまで言っている
芸術とか創造性を生業にする職業の方に瞑想者が多い
アメリカ映画界には数えきれないほどの役者がいる
例えばクリントイーストウッドやアーノルドシュワルツネッガー
クリントイーストウッドは大好きな役者(監督)である
昔は西部劇で若いが渋い2枚目をやっていたし、ダーティハリーでもいわゆる
はみ出し者だが圧倒的な強さの刑事を演じていた
彼は今年90歳を迎えた
そして40年以上瞑想をしている
許されざる者やグラン・トリノ、運び屋など多くの監督作品を夜に送り出している
中でも評価の高いグラン・トリノを製作したのはなんと2010である
80歳だ
もちろん主役も演じている
凄いの一言だが瞑想を40年に亘って続けているならそれもありなんと思えるから
不思議だ
身体は衰えても人間の創造性は衰えることがない
以前書いているように白隠さんもその一人だ
人間の内側には創造性の大もととなる場がある
瞑想はそこにアクセスする技術なので常に創造性が刺激されている
と言っても過言ではない
今朝の瞑想もずっと最初は今書いている小説の行く末をあれこれと思い巡らして
いたがいつものように知らないうちに深い瞑想状態に入っていた
ありがたいことだ
修行というと厳しいように聞こえるがただ自然に任せているだけのことだ
自分の自由になる時間を瞑想にあて創造性にあてしていける今の境遇を
感謝せねばならないとつくづく思う