めいそうえっせい

色々と心のままに

井上尚弥フルトン戦

実は結構ボクシングファンである

 

最も好きなボクサーはマニーパッキャオだ

 

メイウエザーは50戦無敗のまま引退し、レコードとしては素晴らしい戦績を誇っているが、個人的にはあのファイトスタイルが好きではない

 

もちろん技術的にはとんでもないレベルだろうし、実際にはパンチ力も強いらしいが、最初からポイントアウトして判定で勝つ、勝てば官軍という考え方が好きではない

 

お金が大好きなのを公言しているから、そのせいもあるだろう

 

要はプロスポーツの世界ではシノゴの言ったって負けたら何もかも失うことを知っているがゆえだと思う

 

だとしてもだ

 

プロだからそれで金を稼ぎメシを食う、だからどんな手段でも勝たなくちゃ意味がない

のだろうか

 

プロは魅せる必要があると僕は思う

 

ヒヤヒヤ、ハラハラ、ドキドキという緊張感が競技、特にプロスポーツには求められて然るべきだろう

 

その点でメイウエザーを偉大なボクサーとは僕は個人的には認めない

 

パッキャオはファイトを恐れなかった、つまり勝つためには負けることをも恐れなかったが、メイウエザーは負けないためにファイトを恐れたと思う

 

ところで井上尚弥

 

フルトンに8ラウンドTKO勝ちした

 

彼は勝つために最善の準備と細心の注意を払いながらもファイトを恐れない稀有なボクサーだろう

 

もちろん圧倒的なパンチ力があってのファイトスタイルでもあるが

 

フルトンはスーパーバンタムの2団体統一王者だが、ファイトスタイルはメイウエザーに似ていて負けないボクシングをする

 

元々それほど強いと思われていなかったが、井上戦を前にして、煽りも含めてどんどんその下馬評は上がっていった

 

つまり井上は意外に苦戦すると思われた

 

僕も足を使って逃げ回り、近づいたらクリンチする、苛立つ井上に僅かなチャンスでパンチを見栄え良く当ててポイントアウトして判定で勝つという図式しかフルトンに勝つ道は見出せないだろうと思っていた

 

ところが事前に井上が語っていたように、彼のパワーがそれを一蹴してしまった

 

最初のラウンドで既にフルトンはやばいと思ったに違いない

 

だからビビってしまい腰が引けてしまった

 

その後ラウンドを重ねるごとにこれでは判定でも負けると思ったのか、いずれ捕まって倒されると思ったのか、いずれにせよ逃げ回るのはやめたようだ

 

足を止めたのでフルトンのジャブも井上にヒットするようになったが、威力不足は否めず、それまでに井上のストレートみたいなジャブやボディへのパンチを浴びていたためか相当消耗しているのが見てとれた

 

7ラウンドを全審判がフルトンにつけ、解説の数人も同じ判断をしていたが、僕はそうだろうかと今朝、中継動画を数回見直したが、どうみても井上が優っていたように見えた

 

フルトンはタイミング良くジャブや左フックを当てたが、そのどれも有効打にはとても及ばず、逆に井上のパンチでフルトンの方が明らかに弱っていたのがわかる

 

多分ラウンド終了直前に当てた苦し紛れの左フックの印象を取っただけだろう

 

やはり審判も解説もリングサイドで見てはいても、自分の視界に入る限界があるからこうなるのだろうと思った

 

フルトンは試合巧者でそこそこのタフさとスピードを持っていたが、はっきり言って井上尚弥の敵では全くなかった

 

井上が油断せず細心の注意を払って戦ったので8ラウンドまで行ったが、実際には3ランドまでで倒せる相手だろう

 

もし当時のメイウエザーと今の井上尚弥がやったら、井上が勝つだろう

 

なぜなら技術とスピードは互角としてもパワーで井上が勝るからだ

 

メイウエザーのあの戦い方は井上尚弥には通用しない

 

なぜなら簡単にポイントアウトできないからだ

 

フルトン戦のように圧倒的なパワーの前に、メイウエザーは自分から打ちに行けずいつものように待ちの姿勢でカウンター狙いになるが、井上は確実にジャブを当て、中盤までのポイントを取るだろう、そうなるとポイントアウトを恐れてフルトンのように打ち合うしかなくなり井上のパンチの餌食になってしまう

 

どこまで井上のパワーが通じるだろう

 

例えばパワーが互角になったとして、彼はどんな戦いをするだろうか、それが非常に興味深い

 

ただ言えることは井上尚弥はメイウエザーのようなファイトスタイルは絶対にしないだろう