めいそうえっせい

色々と心のままに

キャビア

キャビアなるものを初めて食べたのはいつだろう

 

多分仕事の関係で行ったホテルの懇親会で出たものを食べたのが最初だと思うが

 

あれにもランクというかどこそこのがいいとかあるらしい

 

高いものはたかだか10グラムで数千円とか、ものによっては一万円を超えるものもあるらしい

 

金やプラチナはともかく、純銀が1グラム96円とかだから、それより遥に高いことになるわけだ

 

その高価なキャビアが、昨年の正月から我が家の食卓に供されることとなった

 

理由はわからないが、カミさんが生協で買ったらしい

 

どうやって食べるのと聞くから、クラッカーみたいなやつにサワークリームをつけてそこにちょこっと載せて食べるんだと言ったらそれも一緒に買ってきた

 

生協のは20グラムで3,000円ほどというが、それでも純銀より高い

 

とんでもない贅沢だ

 

でも旨い

 

昨年、食した娘たちとその婿は味をしめてしまった

 

なので今年は争奪戦のようになった

 

次女の婿が一番食べた

 

客人のような立場なので皆そんなに食うなとは強くは言えない

 

僕もそう

 

大体なんで彼の目の前にキャビアが置いてあるのだ、誰がそこに置いたんだと心の中で思っていた

 

彼はいい意味で遠慮をしない

 

目の前にあるキャビアを見つけてとっとと開封し、食べ始めた

 

おい、キャビアだぞ、純銀より高い食べ物なんだぞ、まず主人である僕にお伺いを立てるべきだろうなぞと狭苦しい了見が顔を覗かせる

 

次女夫妻が夕刻帰っていった

 

残った長女と三女が言った

 

ほんと、◯◯くん、遠慮しないよね、もっとキャビア食べたかったなあ

 

彼はキャビアのせいで少し小姑たちの恨みを買ってしまったようだ

 

もちろん僕はそんなことは言いはしない

 

まあ、いいじゃないかと娘たちに鷹揚に言ったが、心の中では、来年の正月にはキャビア対策をどうしたらいいだろうかと考えていた

 

げに恐ろしきは食べ物の恨みというやつか