めいそうえっせい

色々と心のままに

瞑想と仕事

消化器系の手術というのはやはりものを食べられないことから

他臓器に比べて厄介ではある

 

まあ断食と同じようなもんだから自分でも驚くくらい激痩せした

やることもさしてないので暇さえあればベッドの上で瞑想した

定期的に看護婦さんがやってくるのでそれを避けながらではあるが

それにしても驚いたのは同じ注射なのに打つ人によって痛みが全く異なることだ

やはり打ち方に愛を感じる(変な意味ではない)人は明らかに痛みが少ない

 

結局入院は5日間だった

瞑想しながら日に日に良くなるのが自分でも手にとるようにわかった

入院前より体調がいいらいだ

 

4日目に担当医に退院させて欲しいと頼んだ

早すぎると一旦は断られたが結局OKが出て翌日退院となった

医師からこんなに急激に回復し腹腔鏡手術跡もキレイに治癒する症例は

過去になく学会報告するということだった

腕がいいということを言いたかったのかもしれない

 

改めて瞑想の凄さを実感する出来事ではあった

その後の細胞診でももちろん全く異常なしで担当医からはやらなくてよかった

といえばそれまでだけどまあ念のためだからねえと慰められた

 

その後当面は半年に一回、それから一年に一回程度、5年経過するまではフォロー

アップ検査を受けなければいけないと言われたが結局あれから10年一度も受けて

いない

もう内視鏡はこりごりだ

 

そういえば入院するにあたり女房は個室でもと勧めてくれたがどうせ短い間だろう

と6人部屋を選んだ

そこでがん末期患者の大変さを窺い知ることになる

通路に近いいつもカーテンが閉まっているベッドがあった

その横には共同トイレが併設されている

その人は毎晩夜中になると何度もトイレに駆け込んで吐いていた

多分強力ながん化学療法のせいだろう

さすがに3日目には看護師さんに頼んで睡眠薬をもらったぐらいだ

また斜め前のお爺さんはある日若い医師に向かって懇願していた

ここにおいてください、何とかお願いします

若い医師は淡々とした口調で言った

あなたにはもうできることはありません、退院の手続きをしてください

心の込もらないお達しのようでいたたまれなかった

 

自分は恵まれているのだなと思った

同時に患者さんも医師も大変な思いで過ごしていることを実感した

 

5日目で退院し翌日には仕事に行った

短期間で激痩せしているので皆言葉には出さなかったがどうしたんだろう

という雰囲気だった

 

それからすぐのことだ

東北大震災が日本を襲った