めいそうえっせい

色々と心のままに

慣れる時間と「一日暮らし」

大好きな白隠さんの師は、道鏡恵端という法名の禅僧だ

 

長野県飯山市の正受庵というところで80歳で入滅するまで孤高の修行をされた

 

 恵端の残した、一日暮らしという有名な言葉がある。

「・・如何ほどの苦しみにても一日と思へば堪へ易し・・一日一日と務むれば百年千年も務め安し 何卒一生と思ふから大層なり・・」

 

また、同じく道歌には

「指し当る事のみばかり思へ ただかへらぬ昔 知らぬ結末」

とある

 

過去を振り返らず、先を気にすることなく、一日一日を生きていけという意味だろう

 

そうすればどんなに辛く苦しい日々でもいずれは長い期間やっていける

 

すこし異なる意味にはなるが

 

自分には「2週間ルール」がある

 

自分はビジネスマンとして、様々な経験をしてきた

 

出世、降格、異動

 

転勤のない方には理解しづらいとは思うが、まったく知らない土地に行って

新たな暮らしと仕事と仲間で一からスタートするのは、想像するよりはるかに

大きなストレスがかかる

 

自分はそれを10回やった

 

単身赴任は延べ10年

 

以前にも書いたが、50歳を過ぎてからの、異動と単身赴任は正直辛かった

 

単なる異動ではなく、責任がはるかに重くもなったからだった

 

47歳での降格もなかなかだった

 

そんな経験をしてきて、自分の中に生まれたのが「2週間ルール」だ

 

要するに、苦しい、辛い時間は2週間で慣れる

 

正直に告白すると、あまりの辛さに、異動の際に2度ほど会社を辞めようと思ったことがある

 

逃げ出したかったのだ

 

住み慣れた土地と仕事と仲間と家族から、ある日突然、異動となる

 

嫌もなにもない

 

飛行機や電車を乗りつぎ、片道5時間かかる異動先へ引継ぎに向かう

 

初めての土地

 

誰も知らない

 

営業なのでお客さんはもちろんのこと、社内の人間も初めて

 

一通りの挨拶と引継ぎを終えてホテルへ

 

一番ストレスを感じる瞬間がここだ

 

以前、このときに家族に電話し、不覚にも電話口で泣いてしまったことがある

 

娘に指摘された恥ずかしい思い出だ

 

さすがに泣いたのはこれきりだが

 

そんなとき、いつも自分に言い聞かせていた

 

2週間頑張ってみよう

 

それでどうしてもだめなら会社を辞めよう

 

不思議だが2週間経つと慣れるのだ

 

それから自分には「2週間ルール」が出来た

 

もちろん瞑想の効果も大きい

 

もうすぐ定年退職して9ヶ月になる

 

今回ばかりは2週間ルールではなかった

 

この生活リズムと新たな目標に向かっていくと心が切り替わったのはいつだろう

 

半年か

 

この時間も人によっては異なるのだろう