大坂なおみが全豪を制した
久しぶりに最初から最後まで観た
コーチ陣が変わって体幹強化に取り組みフィジカルが強くなったという
振られてもぶれにくい
バランスが良くなっているのだろう
自分はテニスに詳しいわけではないが以前に比べるとスイングに力感を感じさせない
ゴルフでもそうだがいらないところに力が入るとバランスが崩れる
勝ちたい欲求が力みを生む
頭でわかっていても力が抜けない
プロとアマの差、一流と二流の差はこのあたりにあるのかもしれない
大阪なおみと対戦したブレイディとの間にどれほどの差があっただろうか
パワーやテクニックでそれほどの大きな差があったようには見えなかった
一番強く感じたのは大坂なおみの精神の安定度だった
いつの間にあれほどの平常心を身につけたのだろう
何が彼女を変えたのか自分は全く知らない
ただ彼女のアップされた表情を見て気づいたことがある
眼だ
菩薩の眼をしている
眼に色がなく遠くを見ている
一方ブレイディの眼には闘志が満々だ
燃え上がるような眼の色
そしてミスをすると悔恨の色
2セット目の4-0と大阪にリードを許した後2ゲームを取り返すのだがすでに彼女の眼には諦めの色が宿っていた
つまり喜怒哀楽の眼がブレイディだったのに対し、大坂なおみの眼には何の色もなかった
途中一度か二度、大坂の眼に色が宿りかけた瞬間があった
それを彼女は自分に許さなかった
色を抑え込んだ
ゲームなので一進一退はあるだろうと思っていたが彼女に負ける要素は全くなかった
彼女は勝ちたい欲から離れていた
離れていられるコツみたいなものを掴んでいるようだ
これはいわゆるゾーンに入るのとはちょっと違うと思うが限りなく近いレベルだろう
今日の大坂なおみがゾーンに入っていたとはまったく思えない、むしろ逆でゾーンに入れないのだと悟って早々に切り替えたようにも見えた
彼女がゾーンに入ったらそのポテンシャルからして1ゲームも与えず圧勝していただろう
ただ彼女の伸びしろはまだまだありそうだ
歴史に名を遺す偉大なプレイヤーになる可能性は大だ
それを感じさせる試合だった