今日も、愛車を駆って隠れ家にやってきたよ
でもちょっと最近、お金が厳しくなりつつあって、もっと安いところに代わろうかななんて考えてはいるんだけど
まあ、お金のことは置いといて
途中に川沿いの広い公園があって、その脇をのんびり走っていると、黄色い歓声が聞こえる
滑り台やブランコで遊び回る園児たちがいつもよりなぜか大きな声を張り上げている
誰か一人が叫んだのかもしれない
子供たちはすぐマネをしたがるから
僕の走る幅二メートルほどの道沿いには、家々が立ち並んでいて、南に面しているので、庭があったり、ベランダがあったりする
ふと見ると、そのうちの一軒の二階の窓から、いくつくらいだろう、八十歳前後かな
女の人が顔を出していて、何やら厳しい表情をしてる
僕にはピンときた
子供たちの発する、周波数の高いキンキン声が神経に触るのかなと
声というか音というか
とても不思議で、同じ声や音でも、時と場合とか他にも様々な理由によって、心地良くも、悪くも、はたまた耳に届かなかったりもする
僕はそうだな、数年前まで、単身赴任をしていて、大きなマンションの七階に住んでいて、そこは、家族世帯が多く、自然と子供が多かった
マンションの下は、大きくはないけど、子供たちの遊び場になっていて、休日などは朝から子供だちの声が窓から響いてきたんだ
でも、全くうるさいとは思わなかった
僕は神経質なのかもしれないが、音に敏感な方だと思う
そのくせ、ふっと集中すると全く聞こえてないってんだからタチが悪い
その子供たちの声がうるさく感じなかったのは、単身赴任で寂しさを感じていたからだと僕は思っている
ああ、元気よく遊んでるな、楽しそうだな、、、なんて思ってた
ところが、今住んでいる家のあたりも静かな環境なんだけど、その静寂を破って、たまに子供の歓声が聞こえたりすると、うるさいな、なんて思ったりするんだ
勝手なもんだよね、考えてみれば
もしかすると窓から覗いてたあの女の人も、日頃は思わないけど、何か気に触ることとか、旦那さんが病気で伏せっているとか、そんな事情もあって、とびきり大きな声の子供たちを、つい厳しい表情で見ていたのかもしれないな
僕はうるさいなと感じた時は、やり過ごせればやり過ごすし、それも難しいときは、好きな音楽を聞くようにしてる
だって、わざと僕に嫌がらせをしてるわけでもないのに腹立ててみたってしょうがないもんね
僕だって知らないところで、誰かにそんな思いをさせているかもしれないし