旅行が好きかと問われれば好きですと答える
ところが観光は好きかと問われると嫌いですと答える
要は、非日常である旅先に行ってのんびりするのは好きだけど、スケジュールを立てて、あそこを見て、ここを見てってあくせくするのは大っ嫌いなのだ
せっかく来たのだからと、観光目的に一分も無駄にせず緻密なスケジューリングをこなそうとする人たちを悪く言うつもりはない
それはその人が好きな行動スタイルだろうし、後々、あそこも行った、ここも行ったっていい思い出にもなるだろうし
僕には全く興味がないだけだ
観光そのものというより、まず時間に急かされるのが嫌なのと、人が多いのが嫌なのと、まずもって名所名物そのものに興味が湧かないんだな
一方、自分の興味あるものには異常なまでにこだわるキライもあって始末が悪い
もう１０年も前になるかな、カミさんと厳島神社に行ったことがある
いわゆるバスツアーというやつだ
多分僕が最も嫌いなタイプの旅行である（バスツアー好きの方ごめんなさい）
もちろんバスに乗ってしまえば、後は見所や美味しいところに連れて行ってくれて自分で何の心配をすることもないから楽は楽だ
カミさんは僕と違ってこういう旅行が好きなんだと思ったから付き合うことにした
ところがだ
僕は最初からわがままを言い出した
当時僕は関西にいたので、途中から参加できるならいいよと言った
で、カミさんは旅行会社に交渉して了解を取り付けたわけ
どこだっかな、どっかのフェリー乗り場で合流した
そこから山口とか広島とかを回る
そして厳島神社
ガイドの人の後ろについて神社内を散策するのだけれど、どうしても僕はついていけない
金魚のふんみたいに誰かの後ろについてじっと解説かなんかを聞きながら歩くのが我慢ならない
誤解しないで欲しいが僕以外の誰も悪くない
悪いのは僕だ
きっと適応障害とかなんかの病気だと思う
よく大人になれたもんだ
僕はずっと自分を天邪鬼だと思っていて、性格がひねくれていて、親に言わせれば理屈っぽい子供だったし今もそう
何にも変わっちゃいない
ただそんな自分に対処しコントロールすることは多少は覚えただけ
だから僕にとって最高の旅行は、快適な車か電車でのんびり行きたいところに行って、誰にも指図されることなく、自分で好きな時に好きなところに行って好きなことができること
できれば美味しいものを食べたいが、決して贅沢でなくていい
土地の山菜の天ぷらと五目ご飯とか
自然は大好きだし、山が見えて、できれば川のせせらぎが聞こえたら最高だ
今年は色々あった（まだ語れないこともある）
来年、少し暖かくなったらそんな旅に出てみたい
