めいそうえっせい

色々と心のままに

もし生まれ変わったら

 生まれ変わる

 誰もが一度は考える

 僕は真剣に考えたことはないけれどもこの際だから真剣に考えてみるかな

 

 まずもって重要なのは、男であるか女であるかではなかろうか

 女に生まれたいとは露ほどにも思わない

 なぜだろう

 多分女をやれる自信がないからだな

 僕みたいな天邪鬼で自分勝手な人間は、女ができるとはとても思えない。しかも男に従属するなんて真っ平ゴメンだ

 さらに子供を産む自信もない、いや、その前にセックスがそもそも無理だ。想像もしたくない

 となると、もし女に生まれても、生涯独身で過ごすことになる。イメージとしては田嶋陽子氏あたりか(調べてみると、彼女は巷間言われるほど男嫌いではないらしい)

 ただ異性との付き合いがないというのも寂しそうでもあるし、自立してそれなりに稼げるようにならなきゃいけないし・・

 どうしてもっていうなら、女優とか女芸人はアリかもしれない

 めちゃくちゃ美人なら女優、不細工なら女芸人

 でもなんとなく大変そうな感じがするからやっぱり女はやめとこう

 

 男なら色々とイメージが湧く

 僕には元々、親父の血筋からか、職人気質的なところがあって、一人でコツコツやることが結構好きだったりする

一二人兄弟の末っ子である親父は、若い頃、遊び人で、色々と転職した後、手先が器用だったのか、床の間職人になった

 物心ついた頃には、家の中は鉋屑だらけで、そこらじゅうに板やら木片やらが置かれていた

 ただ残念なことに、器用さは全く僕には受け継がれず、全て弟に行った

 僕は、不器用この上なく、例えば、ビニール袋の口さえうまく結ぶことができない

 弟は、歯科技工士になったが、その手際は恐ろしいほど凄く、娘に見事な結婚指輪を作ってくれたし、歯の被せ物が取れた時に、弟に作ってもらったら、歯医者がこんな凄いものを作れる人がいるのかと驚いていたくらいだ

 さらに、母方の親戚には、無形文化財になった版画家もいる

 小さい頃、その人は家の近所に住んていて工房を持っていた

 僕と弟は、しょっちゅう遊びに行って、二十畳ほどもある板間の部屋に山のように落ちている失敗作?の紙を貰ってきては家でマンガや絵を書いていたものだ

 小さい頃は画家になると思い込んでいた

 そのくらい毎日絵ばかり書いていた

 もしそのような性格とか特性を持って生まれるのなら、創作の好きな僕は、絵を描いたり、小説やエッセイを書いたりして生計を立てられたらいいなと思う

 あるいは脚本なんぞも書いて、多少は映画とかドラマとかに関わったりするのも楽しそうだ

 そして、女優さんとかタレントさんとかと多少はよろしくない関係なんかもあったりすると尚よろしい

 いずれにしても、転勤の多いサラリーマン生活を当たり前のように四十年近くも続けてきたけれど、同じような生き方はしたくないかな

 もっと自由度の高い仕事とか生活がいい

 あるいは、密かに思っていることではあるけど、脱俗の生活にも憧れがある

 山の中の僧院で精神の高みを目指して孤高の生活を送るといったような

 若い頃、瞑想の合宿で、蓼科のホテルに二週間ほど篭ったことがあるけど、あの時のなんというか、俗世界を超越した感覚はいまだに忘れられないのだ

 

 さて、次なる大問題は、伴侶だな

 今のカミさんともう一度添い遂げたいかどうか

 先日、不幸にも急逝した安倍元総理の夫人は、生まれ変わってもまた同じ人と結婚したいとおっしゃった。そう言い切れるのは凄いことだなと思う

 僕の場合、僕がもしそう思ったとしても、カミさんはそう言わないことがほぼ分かっているのでここが難しいところではある

 でもまあ、ここは、苦労をかけたカミさんに敬意を表して、生まれ変わっても今のカミさんと結婚したいということにしておいて、もし、カミさんが嫌なら、潔く違う人と結婚しよう

 どんな人がいいかな

 やっぱり趣味や嗜好の合う人がいい

 創作が好きで、でも同じジャンルではない方がいいだろう

 俳人とか、詩人とか、あるいは音楽家もいいかも。もちろん女優とかもありだけど、ちょっと色々と心配だな

 いずれにしてもあまり神経質な感じの人は困る

 自分がガサツだから

 鷹揚でいて、あんたのやることは全部オーケーよ、みたいなよく出来た芸人の女房なんてのもいいなあ

 山内一豊の奥さんだっけ、見性院とかいう

 賢妻として名を馳せているけど、ああいう女性はちょっと僕はダメだな

 教養とか知性とかが先走っている感じがして、どうにも苦手な匂いがする

 女性は生活の知恵は必要だけど、男より賢いのはあんまりよろしくないんじゃなかろうか

 破滅的な考えかもしれないが、人生に疲れ果てて、もう死のうかなんて言ったら、そうね、それもいいわねなんて言ってくれる女性が最高だと思うのは僕だけだろうか

 でもなあ

 よくよく考えてみると、人間に生まれ変われる保証もない訳で、もし、蚊とかに生まれ変わって、腹が減って、人に噛みつこうとしてパチンと殺されるって人生(いやこの場合は蚊生か)だってあるかもしれない

 となると、男だろうが女だろうが、どんな仕事だろうが、誰とくっつこうが、やっぱり人の方がいいことに間違いはないな

 うん?

 ちょっと待てよ

 それなら今生で生きているこの人間としての生命はとっても貴重ってことにもなるわけだよな

 ・・ありがたや、ありがたや・・