僕は、京都の魅力は、歴史や寺社仏閣や独特の文化と街並みが醸し出す雰囲気や春の桜と秋の紅葉、もしくは数多あるお祭りにあるのはもちろんのことだが、その本質は人にあると思っている
僕は都合3度、京都に住んだ
最初は、西洞院御池を少し下がったところ、次は、四条堀川を少し下がった東側、最後は、富小路六角を少し上がったところ
全て仕事での赴任である
なぜか京都に縁があって今でも京都に住む人たちとのお付き合いもある
初めての頃、仕事で親しくなった取り引き先の方がいた
僕は40くらい、彼は50くらいだったか
随分仲良くさせてもらい、お世話にもなった
一年ほど経った頃、食事の席で彼がこう言った
「わしな、実はあんたのこと、あんま、好きやないんや」
僕は何を言われたのかよく理解出来ず、どういう意味ですかと聞き返すと
「どうもこうもない、そういうことや」
まだ血気盛んな若かりし僕は、売り言葉に買い言葉で
「嫌われている人と仕事はしたくありません、今後あなたとはお付き合いしません!」
そしてそのまま関係は途絶えた
暫くのち、京都が長い部下にその話をすると、
「京都の人は親しくなるとよくやるんです、このまま本当に深い付き合いが出来るかどうか試すんです」
と言った
ふうんと思ったが、正直面倒くさいところだなくらいだった
続く