めいそうえっせい

色々と心のままに

ドトールでの何気ないこと

隠れ家というか隠居部屋に来るようになって早8ヶ月目に突入している

 

よくあの暑い夏をエアコンもなく乗り切ったなと自分に感心もするのだが

近くにドトールがあったことも大きな要因だ

 

自分は必ずアメリカンのMを頼む

 

注文を変えたことはなく一度だけサンドイッチみたいなものを一緒に頼んだ

ことがあるくらい

 

夏もずっとホットだった

 

かねてから不思議に思っていたのは夏だろうが冬だろうがアイスコーヒーを

飲む人がいることだ

 

その反対に自分は夏だろうがホットなので何かものを言えた義理でもないが

 

体質によるのかもしれないし単なる嗜好かもしれない

 

ただ自分の先輩だった人は冬に頼むアイスコーヒーで男らしさみたいなものを

誇示していたと断言できる

 

ある意味世話になった人だが今思えば最後の最後(もちろん付き合いの上でだが)まで

お互いの気持ちや人生が交わることはなかった

 

民主党共和党みたいなものか

 

そう言えば彼はトランプ的な匂いを放っていた

 

王様になりたいと豪語していた

 

会社を中途退職しある外資系企業の日本副社長に就任、自分も含めて周りは

凄い凄いと騒いだ

 

ところがその日本支社が撤退してしまい退職を余儀なくされるのだが彼は豊富な

人脈を生かしてあるところに就職する

 

ある意味大したものなのだが彼の描いていた夢みたいなものはそこで潰える

 

やっぱり何だかトランプみたいだ

 

今も元気にされてはいるようだがその就職先も定年しひっそりと暮らしているらしい

 

これも人生か

 

ドトールに戻るがそれほど毎回アメリカンM270円を頼み、必ずクレジットカード

で支払う自分にとうとう店の責任者らしき女性が何も言わないのにアメリカンM

クレジットですねと言ってくれるようになった

 

ある意味常連と認識されたってことか

 

なんとなく嬉しいような悲しいような不思議な気持ちがするのはなぜだろう

 

決めつけないでくれ

自由にさせてくれ

みたいなまあいわゆる天邪鬼なんだが

そんな気分がどこかにあるんだな

 

これもさっきのアイスコーヒーしかり先輩の話しかり

常連と認識されたい

いつものと言うだけで分かるようになって欲しいと思う人がいることもわかる

 

さっきの先輩はある個人タクシーを贔屓にしていて仕事やらプライベートやらで

いつも呼び出して自分専用かのように使っていたのを思い出す

もちろん全て会社の経費だが

 

自分にはできない

ちょっぴり羨ましく思ったりもしたもんだ

 

2年ほど前に亡くなった会社の経営役員は気に入った店を見つけると

ずっと通ってた

下手すると週に何回も

顔を覚えられ名前で呼んでくれるようになるまで

 

自分にはその感覚がない

なぜかもしそうなるとケツがこそばゆくなって逆にいづらくなるような

 

いわゆる小市民で気が小さいからかもしれない

 

もう20年近く前になるが京都に住んでいた頃のことだ

マンションの近所で床屋を見つけ月に一回程度通うようになった

 

半年くらい経った頃か

まずお茶が出るようになった

その後しばらくしてカット中に爪をきれいにしてくれるようになった

(爪のサービスは1,000円かかるが無料だった)

 

嬉しい反面なんだか縛られたような感覚を覚えてくる

ずっと行き続けないとならないようなプレッシャーだ

 

自分は転勤族で全国行脚したような人間だからか

それこそ寅さんのようにふらり気のままというのが性に合っているのかもしれない

 

京都から転勤で東京に行ってまもなくの頃、その床屋から葉書がきていて

京都から転送されてきた

 

そこには

最近お見えになっていないので心配しています

と直筆で書かれてあった

 

やっぱり嬉しいような嬉しくないようなケツがこそばゆいような変な感じだった

 

きっとそれが京都の良さなんだろう

 

自分が変なのだ