めいそうえっせい

色々と心のままに

依存心と帰依2

前回の続きです

 

最初のうちは不思議だなと思っていたくらいだったが、それが二日、三日と経つと、眠れないことによって疲れが増幅し、目の奥が熱く、頭も身体も常に重だるく、何もやる気が起きなくなる

 

嘘だろうと思った

 

何か原因があるならまだしも何もないことで余計に不安にもなった

 

眠れないとなると今度は夜が怖くなる

 

また眠れないのではないかという恐怖がやってくるのだ

 

そして案の定、眠れず、悶々とした夜を過ごすことになる

 

夜が白々とするまでの時間はとんでもなく長い

 

本を読んだりすれば眠くなるかもと思うが、肝心の本が読んでいられない

 

文章を目で追いかけるだけで頭に何も入ってこないのだ

 

当時、二人の娘がいて、下の娘はまだ2歳くらいだった

 

狭いコーポ?の部屋で、自分が夜中にゴソゴソすれば、妻や子供を起こしてしまう

 

とにかく横になって天井を見つめることしか僕にはできなかった

 

そんな風にしてどのくらいの期間が過ぎただろうか

 

今でもよく思い出されることが二つある

 

一つは、会社の車を駐車場に停めようとした時だ

 

ほとんど仕事が手につかず僕はいつもただ行ってきますと言って会社を出て、どこかの駐車場で一日中、寝ていた

 

寝ていたと言っても、眠っていたのではなく、ただリクライニングを倒して横になっていただけである

 

そんな時に、車を停めようとしてバックするのだが、ブレーキが踏めない

 

頭ではそろそろブレーキを踏まないとと思うのだが足が言うことを聞かないのだ

 

これには驚いた

 

車は結局、縁石にぶつかるようにしてなんとか止まった

 

もう一つは、真夜中に訳のわからない怒りがやってきて、それがどうにも抑えられなくなった僕は、そっと家を出て、車に乗った

 

家の近くには片側二車線の広い道路が数百メートルあって、そこを猛烈なスピードで走った

 

多分120キロくらいは出ていたと思う

 

なぜそんなことをしたのか今でも分からないが、その時、僕は車ごとぶつかって粉々になればいいと思っていたことは覚えている

 

幸い、全く他に車はなく、何度か往復した僕はそっとまた家に戻った

 

あの時、前に車がいたら僕は後ろから突っ込んでいたと思う