どうも気分が重い
どうしようか
楽しいことを考えてみようかとも思うがやっぱり浮かばないんだな
空もどんより
午前中は小雨が降っていた
もう降らないだろうと自転車で家を出て、中華料理の定食を食べた
食欲は普通にあるんだな
で図書館にやってきた
かどっこの席に座ってパソコンを開いてこれを書いている
半分ほど書いた長編小説を早く仕上げねばと思っているがどうしても筆が進まないのだ
志賀直哉の暗夜行路の主人公である謙作のようでもある
それにしても暗夜行路というタイトルをどうやって思いついたのだろう
暗夜行路という単語は存在しないはず
いわゆる造語な訳だがシンプルにして深いこんなタイトルを作れるところが凄い
鬱々とした気分を抱えながらそれでも昏い道を手探りで進んでいく
そういえばいいことを思い出した
僕は音が気になる性質をしている
解約してしまったがコワーキングスペースを借りていた際、どうしても携帯の話し声が気になってしょうがなかった
あとイヤホンから漏れ出る音とかも
そこでノイズキャンセリングイヤホンなるものを買おうかとも思ったがその類の音を消し去るのは意外に難しいことがわかりやめた
誤解されないように言うとこれは瞑想のせいではない
瞑想は心のうちに深く入るので微小な音も耳に届く
だからではない
元々なのだ
なので静かな場所を好む性質がある
家の窓から聞こえるバイクや車のエンジン音などは非常に気になる
一方、カミさんは全く気にしないタイプのようだ
彼女は僕と違ってどこか堂々としている
女性にしておくのは勿体無いタイプの女性である
僕も時々ああなりたいものだと思う
昨日、やはり窓の外から結構な時間、車のエンジン音が響いていた
見てみると誰かを迎えにきたワンボックスカーのようだ
しばらく我慢していたが、結局、僕は家を出て運転手の人に、エンジンを切って欲しいと言いに行った
運転手さんは、あ、すいませんと言ってすぐエンジンを切ってくれた
家に帰るとカミさんが何をしに行ったのと聞くのでそのまま答えると、こんな暑い日にかわいそうでしょと僕を責めた
実は僕もそうは思わないでもなかった
でも僕ならきっとエンジンを切って待つだろうと思ったし、真夏なら別だけどまだエアコンをかけるほどでもないしと思ったのだ
でも何だか自分が少し嫌になったのも事実だ
夕方、隣の家のピアノが聞こえてきた
これも僕が気になる音の一つだ
ただ不思議なことに、昔、住んでいた家の隣のそのちゃんと言う子供のピアノの音は全く気にならなかった
それは多分そのちゃんがお母さんにこっぴどく叱られながら弾いていたせいだと思う
そのちゃんが可哀想だったのだ
なので音そのものが原因なのでは多分ないだろうと思う
隣のやはり女の子のピアノはなぜか気になってしまう
でも我慢してみた
いつもなら二階の自分の小部屋に避難してパソコンで音楽を流すのだが今回はちょっと我慢しようと思った
やはり最初のうちはとても気になったがそのうちにだんだん慣れてきた
気づいたらいつの間にか音は止んでいた
僕は我慢できた自分に満足した
自分にとってとてもいい話
小さい話だけど
あ、窓から陽が差し込むようになった
どんよりした空だったのに
こんな日もあるんだ