めいそうえっせい

色々と心のままに

依存心と帰依1

ずっと若い頃、多分20代半ばだったと思う

 

その時の上司から「君は依存心が強いね」と言われたことがずっと今でも残る

 

もちろん良い意味で言われたのではない

 

そして言われた方の僕もはたと気づいた

 

確かにそうだと

 

それまで意識をしたことはなかったけれど自分という人間は他者に対して依存しやすいのだと

 

どうしてそうなったのか

 

遺伝なのか、環境なのか、確たることは分からないが、母親の影響は少なからずあったように思う

 

母は幼い頃父を亡くし、貧乏な中をそれこそ血の滲むような苦労をしてきた

 

そのせいかとても自立した女性なのだが、一方で他人を自分の意のままにコントロールしたがるのだ

 

それがそうだとわかったのは僕が随分大人になってからだった

 

多分僕は母親の意のままに生きてきたし、それが当然のようにも思っていた

 

それはつまり母への依存を生み出し、他者への依存をも生み出した一つの大きな要因でもあったと思うのだ

 

よくは知らないがそれはもしかすると今で言うところの発達障害なのかもしれない

 

僕は自分が我儘で天邪鬼であることをごく小さい頃から知っていた

 

友達と楽しく遊んでいても自分がつまらなくなったら勝手に家に帰ってしまう

 

自分の好きな遊びしかしない

 

一方、絵を描くことが大好きで、描き始めると何時間でも熱中した

 

全てが自分本位で自分中心だった

 

その傾向は今も残る

 

そのくせ誰かに依存するというある意味とても大人とは思えない幼稚な人間なのだ

 

最初に戻るが、その僕に「君は依存心が強い」と上司に言われたことは、少なからず僕にはショックだった

 

何か自分の隠していた本当の姿を見透かされたように思ったからだ

 

その頃僕は就職と共に親元を離れ、長年付き合った妻と結婚し、多分子供もいたと思う

 

それなりに仕事をしていた僕だったが、本当に身が入っていたかと言われると否定せざるを得ない

 

それに妻にも大きく依存していた

 

そんな僕に転機が訪れる

 

ちょうど30歳くらいの頃だった

 

ここでもずっと前に書いたかもしれないが、いきなり不眠症になった

 

何か悩み事とか、心配事があったわけでもない

 

仕事も家庭も順調だった

 

眠れないなんてことはそれこそ僕の辞書にはなかった

 

それがある日突然眠れなくなった

 

僕は驚いた