この移ろいゆく相対世界において幸不幸は糾える縄の如しとか、人間万事塞翁が馬ともいうが頭でわかってはいてもやっぱり辛いものは辛いなあ
なんとも辛く悲しい
義理の母が口癖のように言っていたのは、この世のことはこの世が解決するという言葉だった
きっとそうなるだろう
頭では分かっているさ
でも今、この瞬間、辛いのだ、悲しいのだ
悟りを得た人たちはどうなのだろう
感情がなくなるわけではないだろうからやはり辛くも悲しくも感じるのではないだろうか
好きな白隠さんの物語にもそのようなシーンも描かれている
達観という言葉があって、なんとなくどんな事柄からも超越した境地のように思えるがその時人間的な感情はどうなっているのだろう
これはあくまで想像だが、辛いとか悲しいという感情を「自分は今まさに感じている」と客観的に見えているのかもしれない
では実際にその感情を「感じて」はいないのだろうか
これも想像だが、「感じながら感じていない」のかもしれない
自分はまだまだ巻き込まれている
そしてそれが当然だと思っている
このことをいつか振り返ってみたい