めいそうえっせい

色々と心のままに

娘の結婚

三女の彼が挨拶に来た

 

この茹だるような暑さの中、背広にネクタイ締めて

 

彼は娘より三つほど年下らしい

 

三女は末っ子のせいか我儘だ

 

というか、自分に最も似てるところがあって、それは僕自身が自分をあまり好きでないところでもあるため、小さな頃からついつい強く当たってしまった反動かもしれない

 

そんな娘も今年で31になる

 

昨年か一昨年だったか、女は30までに結婚しないとみたいなことを言い募って焦っているものだから、結婚相談所に行かせた

 

長女の時と同じく結局はお金を捨てたようなものだった

 

彼女らにしてみれば、どうにも紹介される男性が頼りなく映るらしい

 

三女は大きなシェアハウスに住んでいる

 

結局はそこで知り合った男性と結ばれることになった

 

娘は惚れていて結婚も考えていたようだが、彼の方にその気はないと聞いていた

 

親の僕としてはその気がないならさっさと別れなさいと言いたいくらいだったが、そうも行かないので多少はやきもきしていた部分もある

 

それが急転直下、プロポーズされ結婚することになったと聞いたのは、まだ二週間ほど前だ

 

正直、ホッとした

 

一度娘と結婚について話をしたことがある

 

彼女は、一度は結婚したいと言った

 

子供が欲しいとも言った

 

自分が結婚できない(できなかった)と見られたくないみたいなことも

 

僕は正直、彼女は結婚できないかもしれないと思っていた

 

だから心のどこかでずっと気にはなっていた

 

上の娘二人は結婚して子供がいる反面、自分はとなれば辛い思いをするだろうと思っていたがどうにもしようがない

 

挨拶に来た彼は、聞いてもいないのに結婚を決めた話をした

 

一年半付き合って、仲の良い時もあったが喧嘩も多くした、言いたいことを言い合ったけれど、結局、自分を一番分かってくれて、しっかりした意見を言ってくれたと、それが結婚を決めた理由らしい

 

へえ、そういう見方で結婚を決めるのかと思った

 

それがいいのか悪いのか判断がつかなかった

 

ありきたりなことしか言えなかった

 

彼の隣に座る娘の目が潤んでいて、それを見た僕は泣きそうになった

 

僕は彼と握手をした