三女の結婚式があった
泣かないつもりがとうとう泣いてしまった
三女は僕に最も似ているかもしれない
いい意味でもあまり良くない意味でも
ワガママである
自分本位である
まるで自分を見ているようでイライラすることもあった
いつ頃からかそんな彼女も年齢を重ねるにつれ少しずつ大人になっていった
姉たちが結婚し子供が生まれるのを見て自分も同じようにと思ったのだろう
いつしか結婚願望を口にするようになった
僕は正直難しいかもしれないと思っていた
あんなワガママな女と結ばれてもいいと思う男はいるのだろうか
ところがいたのだ
やはりよく喧嘩はするがその度に仲直りするらしい
とにかく我が強い娘である
言い出したら聞かないし我慢が効かない
それでもどこか引き合うものがあったのか
いわゆる縁なのか
いずれにせよめでたくゴールインとなった
僕はそれほど感慨を持たなかった
ところが披露宴でそれが一気に来てしまった
この子が結婚するとは
そう思っただけで感情が昂った
堪えきれなかった
後で娘や妻からとうとう泣いたねと揶揄われた
ただ娘は僕の涙を見てもらい泣きをしたそうだ
結婚は人生の一コマ
結婚が全てではないと僕は思っている
それでも一瞬の幸せをそこに感じられたことに感謝したい