恵比寿ガーデンプレイスにある東京都写真美術館に深瀬昌久氏写真展を見に行った
実は写真展なるものを鑑賞するのは生まれて初めてである
結論から言えば非常に興味深くある種の感銘を受けた
絵画などのいわゆる創作物に関しては良い悪い、好き嫌いといった嗜好含めて、何ものかを感じることが多いが、正直、写真に関しては何をどうとも言いようがないと思っていた
もちろんより綺麗にとか、動きや表情の一瞬だとか、その瞬間にしか訪れない風景の美とかを切り取る、あるいはおさめるという写真でしか出来ない技?は理解できる
しかしながらピューリッツァー賞の写真のように、ドラマがそこにあるような写真には心を動かされるが、その他の写真、例えば風景にしろ人にしろ動植物にしろ、綺麗だなとは思うものの感動をしたことは多分一度もない
たまたまある古い友人と昼飲みをしようとなって、前にエゴンシーレ展を見て感銘を受けたせいで、美術館にでも行ってからにしようかと思って色々探していて、この写真展を見つけた
見初めて最初に感じたのは、なぜこのような写真を撮ろうと思ったのかという疑問だった
例えば、母親らしき人と奥さんらしき人が素っ裸で並んで映っている
どういう意図があるのか全く理解できない
絵画と違い写真は生々しく二人は快活に笑っている
他にも僕には全く理解できない写真の数々が並ぶ
そのうちにふと気づいた
そういう見方をするのはやめようと
分析的に理解しようとするのはやめて、ただただ心を空っぽにして眺めようと思った
そこから感じるものがあればそれでよし、なければそれもよし
僕の目をカメラにする感覚
飾られている写真を僕自身のカメラで写しとっていく
すると不思議なことに写真が活き活きと見えてくる
雰囲気、表情、動き、感情
それは僕にとって今まで感じたことのない体験だった
写真がやはり芸術の一分野であるのだと思った
その後、友人と昼飲みをした
様々な話を語り合った
写真展の影響があったせいか僕は思った
会話を分析的に理解するのはやめて、丸ごとを感じて、そこから得られるバイブレーションを調整=チューニングすることが大切なんだなと