なんでもないところだった
前から歩いてきた大柄な男性とすれ違う際に、あれは明らかにわざとだと思うが、いきなり強くぶつかられた
まるでタックルのように
明らかに故意にやったとしか思えず、驚いたと同時に怒りが湧いた
振り返ると何もなかったかのように歩き去っていく
僕はつい、オイコラっと大声で怒鳴ってしまった
その男性は聞こえないふりをして行ってしまった
一瞬追いかけようかとも思ったが、人と待ち合わせをしていて少し急いでいたことと、もし喧嘩になったら嫌だなという思いがあってやめた
もう何年も前だが、地下道を歩いていて、前から来た人に強くぶつかられたことがある
あれも明らかに故意だった
その時は、立ち止まって文句を言った
するとここは右側通行だと言う
よく見ると壁にそう書いてあって僕は知らなかった
確かに僕が悪いと思ったがわざとぶつかることはないだろうと思った
でもなぜこのようなある種偶然の不幸のようなことが起こるのだろうと考えてみた
何気ないところで躓いたり、自転車でちょっとした段差で転けたりもそう
もちろん不注意なのでもっと注意深くすればいいのだろうとも思う
年齢からくる認知機能の低下なのかな
でもふと思い出した
起こることは必然だったと
自分の選択した結果を僕は生きている
それがやってきたのだと
僕は僕に教えている
怪我や病気もそう
理由があって起こり、それは自分があるべきところに戻るために必要なこととしてある
僕はここしばらく戻れていなかったのだ
自分を見直す良い機会になったと思った