僕は仕事をしていた頃、原則70点主義だった
要するに完璧を目指さないということ
手を抜くというのではないが多少はそれに近いニュアンスもある
もとはといえば、三十代の後半で出会ったある上司から学んだことである
往々にして勘違いしやすいのは、目の前の締切のある仕事とか、上司に命じられた報告書の類いとかを優先しがちだけれど、仕事をするにあたって何が重要かということを考えた時、実はそうじゃないってことが意外にある
もっと単純に言えば、本当に大切な仕事を優先して時間をかけてやる方が重要であって、大して重要でもない(重要と思い込んでいるだけで)仕事は適当で早く終わらしてしまった方が良いってこと
例えば、パワーポイントの体裁にやたらと凝るようなのは、完全に大間違いだと僕は思ってる
もちろん見せる相手にもよるけど
重要な顧客とか、社内でも凄く大切なプレゼンの場合であれば、それなりに時間を掛けてもいいだろうけど、そんな場合はそう多くはない
これもまた困ったものなんだけど、見る側のレベルが低いと、内容よりパワポの作り込みの良さを評価したりするから考えものでもある
いずれにしても、中身が重要で、シンプルにきちんと伝わればいいと僕は思う
この場合で言えば、中身にしっかり時間をかけて、パワポの出来は70点で十分ということ
僕は報告書の類にも時間と労力をかけなかった
やたらとワードで何枚も細かい報告書を書く人もいたけど、僕は大体がA4の半分程度でそれもメモ書きみたいな内容だった
それを不満に思っていた上司もいるにはいた
僕はどう思っていたかというと、報告書の類は結果であって過去であり、重要度は高くなく、ビジネスの現場は現在進行形であって、真に必要な報告はリアルタイムでやるべきと
まあこんなところにも僕の天邪鬼的なところが遺憾なく発揮されてはいるが、今思い出してもやはり真実だろうという気がする
まあ過去はこれくらいにして本題
耳順という確か論語だったと思うけど、齢60にして耳順うという意味だそうで、つまりはそれなりの年齢になって性格も穏やかになり、人の話を素直に聞けるようになることが大切という人格形成の過程を示している
ところがこれだけ高齢化になってくるとそうもいかないようで、巷には頑固で融通のきかない老人が多いそうだ
前頭葉だかが萎縮してくると、そんな傾向になるらしい
確かに自分でもどこか短気になったかなと思わないでもない
多分カミさんに聞けば間違いなくそう言うだろう
なので僕は現役の頃にやった70点主義にしようと思うようになったのである
色々と体も音を上げたりするし、周りも世間も自分の思い通りにならないことだらけ
物価や光熱費はどんどん上がるし、頭に来るけど、文句を言ってたってしょうがない
仕事のストレスがなくなっただけでも十分感謝すべきだし、幸い健康にもこれといった問題もなく、家族もそれなりに大変だけどやっている
十分だろう
もちろん100点かと言われれば、ん?てなるけど、100点だと思った瞬間にまた不満とか欲とか出るに決まってる
なので70点でいい
いや60点でもいいかも
これから年齢を経るに従って点数を減らしていくことが大切なんだろうと思う
80代後半の母は、心身の不調が常にあって、つい今まで出来ていたことも出来なくなったとボヤいてる
点数でいえばどうだろう
30点でよしというところだろうか
でもまだ元気で動けるし、頭もしっかりしているから50点あたりでもいいのかもしれない
要は自分とか周りとかとの折り合いの付け方一つだと思うし、不満を不満にせず、あるものをいかに満足とするかという考え方が大切のような気がする
今朝瞑想しててそんなことを思った
実は瞑想もそう
70点くらいでちょうどいいのである